新しい事務所の自分専用の作業場にデスクトップオーディオを組んでみた。
音源は普段持ち歩きのWindowsパソコン(VAIO PRO MK2)からiTunesをUSB経由でDACへ。
DACはTEAC UD-501 アンプはTEAC AX-501とTEACのリファレンス501シリーズでXLRバランス接続。
さて、スピーカーの選択ですが
- 部屋は5畳半ほどで狭い
- 天井がやたらと高い(4メートルくらい)
- 部屋にモノがないので反響が大きい
- 薄い壁のマンションなので重低音は避けたい
- トリオJAZZメインで流すのでウッドベースゴリゴリ聞こえるのがいい
- 机の上なので出来る限り小さいスピーカーがいい
こんな感じの希望で考えてみた。
一応、手持ちで8cmユニット搭載のウッドコーンスピーカーJVC製があるんだけど、これは明らかに低音出すぎるはず。バランスよく中高域を中心にくっきりした音が出るのでウチで新たなオーディオ機器入るときはこのスピーカーがリファレンスになってる。しかしながらこれを5畳のあの部屋で鳴らすと低音がでかすぎる。
もう一台、KEFのサラウンド用スピーカーHTS-2001
手持ちのKEF-HTS2001をとりあえず繋いでみたが、いい感じで低音のボンつきは抑えられてて悪くないけど、どうしても高域の音成分が前に出てこないスピーカーなので不満が残る。
さて、安く手頃で小さないい音がするスピーカーが無いものか?
とヤフオクとか探してると、以前から気になってたヤマハのNS-10MMを見つける。
ヤマハ NS-10MMとは
ヤマハのNS-10MMはNS-10Mというスピーカーのミニチュアモデル。
NS-10M、NS-10MMという兄弟?的なサイズがある。
元となるNS-10Mは言わずと知れたスタジオモニタースピーカーの世界的名作。世界中のレコーディングスタジオで最も使われているスピーカー。メインユニットは18cmあるのでエンクロージャーも家庭で使うには少々大きいもののNS-10Mは家庭用オーディオスピーカーとしてもけっこう人気がある。そしてNS-10MMはというと、これは1990年代後半に登場してるので当時のAV環境(サラウンド)に向けて小型化を促進してリア用スピーカーとして使われる前提で開発されている(と思う)。
リア用、サラウンド用スピーカーの特性
いろんなメーカーがあるけどサラウンド用スピーカーの特徴は
- 100Hz以下の低音は捨てている
- 中高域(聞こえやすい帯域)をメインに設計
- ミニマムサイズ
だいたいこういった特徴がどこのメーカー製でも統一されてる。
最近はトールボーイとかで省スペースながらも低音まで欲張ったモデルも増えてるけどこういうのは硬すぎる中低音特性のせいで大きな音量で鳴らすと狭い部屋ではボンつきやすい。だから嫌い。
一昔前のサラウンドスピーカーは小ぶりで安っぽいユニットつけて後ろや横からでも聞こえやすい帯域をメインで鳴らすものが多かったように思う。その中でもヤマハのNS-10MMはスタジオモニターのデザインそのままに「めっちゃ小さい」そして可愛い。
そんなこんなでNS-10MMをデスクトップ置きました
能率88dbで6Ω
小型スピーカーではまあまあの能率。実際に鳴らすと同じアンプ同じボリュームでは84dbのウッドコーンと同等かそれ以下の音量しか出ないので能率はかなり低いと思う。
なのでちょっとでもエンクロージャー内部での逆位相が外に出てくることでの損失をなくすため適当に消音材を詰め込んだ。密閉型ゆえ100Hzまでしか低音は出ないものの、全体的に音そのものの伸びはめちゃいい。
ならば消音材でもっとすーーっと伸ばせるはず。
早速、ヘキサゴンレンチでネジはずして開封
エンクロージャー内部は案の定「消音材ゼロ」状態。
クロスオーバーネットワークは5Khzで-6db/oct
6db/octなので逆位相の悪影響は出にくいネットワーク。シンプル
つまり、ほぼ8センチフルレンジの良い特徴を出しきれる仕様。
ほぼフルレンジといえる仕様ですね。
小さいツイーターも全体の音色にきらびやかさと輪郭を持たせる程度に音が常時出ている。
非常に安っぽいユニット
ペーパーコーンの安っぽい音が好きです。
個人的に好きな音はペーパーコーンから出る音なのでメインスピーカーはJBLを愛用しているのだと思う。
詰め込む消音材は 15センチ×20センチ程度 厚さ1.5センチのグラスウール
これが一番使い勝手よくて音減りしにくく、無駄な共振を上手く防いでくれる。
フェライトマグネットゆえ、エンクロージャー小さいのにマグネット部分がでかすぎて残念ではあるが、、
とりあえず、ユニット背後からすぐにでも逆位相を吸い取るような消音材の入れ方にしておく。
これはB&Wのスピーカーエンクロージャーへの消音材の贅沢なまでの詰め込み方法を真似した方法。
うちのCM5はこの3倍くらいキツキツに詰め込まれている。
LUXMAN d-100そしてLUXMAN 590AX経由でウッドコーン8センチ、NS10MM、そしてJBL D123&ホーンのメインシステムとの音質比べ。
普段聞き慣れたものからウッドベースが目立つ楽曲をメインに聴き比べた。
わかりやすいところでブライアン・ブロンバーグのウッドでいうと
NS-10MMはJVCウッドコーン8センチほど低域の量感はない
しかし5KHzより上の周波数特性は明らかに強くサイン波による周波数測定ではかなり上が伸びていた。
全体バランスとしてはウッドコーン(JVC)がバスレフと低能率ゆえの音の厚みによってうまく音が出てる。
対してNS10MMはやや音に厚みが不足するものの高域の性能が少し良いでいもあってか音全体はフラットなのに若干クリアに聞こえる。そのせいか、小型スピーカーで低音を欲張りすぎてベース音やバスドラの音がボーボーしたりドウンドウン聞こえるような悪い癖は全く無い。
そういう点では12インチのD123とホーンの組み合わせから出てくるウッドベースノオトやドラムスの音質に近い特徴がある。
悪くない。
実際は能率低いのでえらくボリューム(音量)あげないといい感じには聞こえないが。。
30W出力の純A級アンプとの組み合わせではやや広がらない低域がデジタルアンプと接続することで多少雰囲気は変わるだろう、、という考えでNS-10MMをデスクトップに置いてみた。
TEACのリファレンスシリーズと見た目の相性抜群
もう音質とかどうでもええわ、、とすら思えてしまう。
実際にこのライブ感バリバリの反響特性の部屋で音を聴いてみると
悪くないです。
高音楽器はチキチキ、キンキン
決してシャリシャリではない
つまり高音楽器の音を表現するために必要な低域成分も十分に発揮されている。
ウッドベースはどうか?
少なくとも最近の2~30万円するような16センチスピーカーとか13センチスピーカーよりはゴリゴリ感は表現できている。というか低域の量が少なすぎるのでいやでもゴリゴリ感が出る。
音質はホント、ペーパーコーンの音です。わかりやすい温かみがたまらない。
iTunesやCDなんかのデジタル音源とD級アンプの組み合わせならマッチしますね。
バランスいい。
アナログアンプとアナログレコードとかだと低音なさすぎて悲しくなると思う。
まあ、狭い部屋、デッドのないライブな部屋ではこういう低域をあえて殺したスピーカーを使うことで聴きやすい音を出しやすいのかもしれないですね。
好みの問題だけど、
音も悪くないし見た目はチョーかわいいので気に入りました。
なんせ8センチユニット最強!というのが個人的な趣向なので今回はこのNS-10MMにたどり着きました。
音の分離や空気感の表現は高級スピーカーと比べると全くダメダメですが、、。
見た目が好きなのでしばらく使ってみようと思います。
オーディオは見た目も大事ですよね。。
あと、もうひとつ
狭い部屋で大きな音で聴きたい、、と思うと結局ヘッドフォンですかね、、
職場用でSONYのMDR-Z7を導入してみた。
また今度使い込んでレビューかいてみます。