HDRとは|ハイダイナミックレンジの写真画像を作る方法ソフトとカメラ設定の環境

デル株式会社

何の変哲もない子供部屋から外を眺めた写真。実はこれHDR(ハイダイナミックレンジ)で合成した写真です。

私たち人間の目ではこのような雰囲気に見える室内と屋外の風景も1枚の写真に収めるとなかなかこのようには写りません。




ではHDRとは何か?

ハイダイナミックレンジといってCMやテレビ番組の中では一般的に使われる表現法で低い露出(暗い写真)、適度な露出(普通に撮った写真)、高い露出(非常に明るい写真)のような明るさの異なる複数の同じアングルとサイズの写真を合成して1回のシャッターでは表現できない色合いを合成して作り出すダイナミックレンジのことを言います。(さきほどの写真がHDR写真です。)

サンプル

先ほどの室内から屋外を眺めた写真のように室内と屋外では輝度差が大きくなります。このサンプルでは夕刻近くで室内は暗くベランダから屋外は非常に明るい直射日光を受けるという写真撮影では「すべてを写しきる」ことが不可能な環境です。

1枚目標準露光の写真

2010-08-17 16-18-04.jpg

これが標準露光(ごく普通にデジカメが決定した露出)で撮影した写真。ベースになるのはこの中間の明るさ(適正露出)

屋外もそこそこ描写できているが窓枠の色が黒くつぶれている。そして空の色が白く飛んでいる。雰囲気はできているものの、この1枚では黒つぶれと白飛びの部分で色データを持たない写真になっています。

こういう写真でいくらレタッチしてもつぶれたり飛んだりしている部分の色は復活させることができません。つまりダイナミックレンジから外れているということになります。

2枚目 低い露出の写真

2010-08-17 16-18-33.jpg

なんとか屋外の雰囲気を出しています。標準よりマイナス2下げた写真。空の色合いや建物の奥行きが確認できますが室内にいたってはほとんど黒くなって影にしか見えません。

3枚目 明るい露出の写真

2010-08-17 16-19-03.jpg

よりプラス2の露光。室内の置物や窓枠の色合いがなんとか確認できる水準。(白とび黒つぶれしていなければ色データとして補正やレタッチが「可能になる)ガラスに映りこんだ室内の椅子の映像も見えます。同時にベランダの緑色が明るく表現されている。

これらを合成したものが

2010-08-17 16-19-27.jpgのサムネール画像

このような見た目のものになります。デジタル一眼レフを手に入れたものの思ったより風景や街並みの写真が見た目どおり再現できない。という壁ににあたるときがあります。これはデジカメのセンサーが記録した映像データをすべて1枚に再現するというのが困難であるためやむをえないことです。

よくホームページや広告パンフレットなどで見かけるホテルの室内の写真やお寺の境内で建物の屋内と屋外を映し出した美しい写真などが好例ですが、1枚でもある程度表現できるためにはデジカメ本体のセンサーサイズや撮影時の光の加減、絞りや露出の絶妙な設定などが必要になります。しかし、これでもパンフレットのような写真に仕上げるには大変なレタッチや合成が必要になります。

こういう事例でよりシンプルに風景を見たまま(それ以上に美しく)再現する方法がHDRなのです。

2010-08-17 18-59-28.jpg

※ここが面倒だ!
3枚撮影だと手振れがモロに影響するので三脚固定とレリーズやタイマー撮影などでカメラのブレを抑える努力が必要。
失敗サンプル 200mm望遠での撮影HDR やはり3枚同じ構図にまとめるのは手持ちでは困難極まりない。

カメラの選択と設定

HDR撮影に使用するカメラは何がいいのか?正直明るさを変えて撮影できるものなら何でもいいと思います。

個人的には三脚とか使うのが面倒なのでEOS50Dのブラケット撮影(露出をあらかじめ設定した3種類を続けて撮る)を使って高速連写でサクサクサクっと撮りまくってます。メチャ楽チンです。ファイルはRAWですが、jpegでもパソコンの液晶で見る限りは大して差がない感じです。

カメラは露出の調整ができるものデジタル一眼レフならほとんどの場合可能。AvやA、あるいはマニュアルモードで撮影してシャッター速度で明るさを変えてもよい。僕はAvでブラケット撮影(ほとんど50Dの高速連写で撮影)

コンパクトデジカメなら調整できるものを使えばよい。シャッタースピード優先撮影で明るいものと暗いものと普通に撮ったものを用意。ファイルはJPEGで十分です。

HDRソフトと写真合成環境

僕のHDR環境を説明しましょう。写真加工は一般的にmacが多いようです。しかし、最近のwindowsパソコンも性能が高くなり64bitパソコンならRAW画像の合成もサクサク動きます。

しかしながら今のメインマシンはpanasonicのLet’s Note CF-S8 windows7 32bitです。

メモリーは4GB搭載していますがごく普通のwindowsパソコン。しかもモバイルノートPCです。

ここにHDR用ソフトと画像編集、現像、レタッチそれぞれ個人的に使いやすいものをそろえています。

カメラはcanon製がメインなのですがほかのメーカーでも参考になると思います。

現像ソフト

これはキャノンの純正Digital Photo ProfessionalあるいはZoner photo studio 12 Professional

RAWで撮影した場合でダイナミックレンジの幅を微妙にあわせて生きたい場合などはDPP。それ以外はZoner。Zonerはそれ単体でもRAW1枚からHDR合成をできる上にそのメーカーを問わないRAW再生能力とマルチコアCPU対応で快速な処理速度が魅力です。現像段階でも活躍が多いソフトです。

HDR合成専用ソフト

  • Photomatrix pro 3.2
    Windows7対応で写真素材が持つデータから色や明るさなどを引き出す操作が非常にシンプル。かつ最近流行している絵画風というか描画風のHDRレタッチも合成のみでできあがるトーンマッピングの利便性。画像のズレ穂性機能が付属しておりHDRには欠かせないソフトです。
  • photoshop
    同時にZonerやPhotoshopでもHDRは可能ですがphotoshopについては新しいカメラにはAdobeのカメラRAW(プラグイン)が対応していないため所有カメラを買い換えるかphotoshopを買い換えるかという多大な出費を要するのでお勧めできない。実際にHDR合成をするにも超高性能PCでない限り、その処理時間に耐えられない場合も多い。(特にRAW合成)
  • Zoner photostudio 12 Professional
    一方Zonerについては3枚の画像からHDR合成やRAW1枚、RAW3枚からの吐き出しも可能で使える。ただし、画像のブレ(複数写真の合成のズレ)を整える機能がないため若干使用頻度が下がる。

レタッチと編集

HDR合成した写真をレタッチしたりするにもフォトショかゾナーで行う。

最強のHDR仕上げを行うにはphotoshopとプラグインTopaz Adjustの組み合わせ。

こちらの組み合わせを使えばflickrなどの写真共有サイトにあるような芸術的仕上がりのHDR写真を簡単に作ることができる。

また、写真の水平や歪曲収差の補正もphotoshopで行えばいいのだが、Zonerの水平補正や歪曲補正、レンズの周辺光量不足補正も専用ソフトゆえの簡単操作が魅力。

個人的にはphotoshopでTopazフィルターをかけ、Zonerでweb公開用に細かい補正やトリミングを行う。

以上、3つのソフトを連携したHDR作成テクニック。

面倒ですよね。

コンパクトデジカメの大きさで自動でHDR撮影できるNex-3はやはりバケモノですね。普通の写真をキレイに映し出すだけならNEX-3のようなカメラが一番いいかもしれないと思います。

参考HDRソフトと現像ソフトおよびHDRプラグイン

こんな面倒な作業がイヤだという方へお勧めのオートHDRカメラ

最後に…

人間の目というのは本当にすばらしい景色を見取ることができているんですね。

こういうことに気づかせてくれたデジカメと写真という文化に感謝します。