メカニカルキーボードの軸9種類を比較「赤軸」「黒軸」「青軸」「茶軸」「緑軸」「白軸」ほか

 

メカニカルキーボードは採用する軸によってタッチ感に大きな違いが出ます。市販のメカニカルキーボードではCherry製の軸が使われていることが多いですが、最近は中国製のCherry刻印のある低価格な製品が多く出回っているため、それぞれの軸の違いを簡単にメモしておきます。

 

 

以下、メカニカルキーボードをこれから購入するにあたって気になる各軸の違いを「静かさ」「軽さ」「クリック感」で記録します。

※中国製キーボードのCherry刻印と本国ドイツCherry製のキーボードを所有していますが、違いは感じないほど同じ感触の軸でテストしています。

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静かな軸ランキング

 

「軸そのもの」の静かさ

 

  1. 黒軸
  2. 赤軸
  3. グレー軸
  4. 茶軸
  5. スケルトン軸
  6. シルバー軸
  7. 白軸
  8. 緑軸
  9. 青軸

という順番で「軸の摩擦音」や「軸のスイッチ音(カチ音)」などが加わり音が大きくなります。

キートップを装着した際の静かさ

 

  1. グレー軸
  2. 黒軸
  3. 赤軸
  4. スケルトン軸
  5. 茶軸
  6. シルバー軸
  7. 白軸
  8. 緑軸
  9. 青軸

キーキャップ(トップ)を装着し打鍵すると、「軸の摩擦音」「軸のスイッチ音(カチ音)」「キャップの底打ち音」が発生するようになります。そのため、押下圧が重たいキーほど静かに感じやすい傾向を感じる。

 

クリック音 > 底打ち音 > 跳ね返り音 > 摩擦音

 

ここにあげた4種の音による静音性への影響が出るように感じます。軽い軸ほど底打ち音の影響を受けやすい傾向にあります。重たい軸ほど跳ね返り音が大きい傾向にあります。摩擦がない軸ほど上質に感じやすい傾向にあります。

※使用する人の爪の長さやタッチの強弱については無視しています。

 

軽い軸ランキング

 

  1. 赤軸
  2. 青軸
  3. 茶軸
  4. スケルトン軸
  5. 緑軸
  6. 白軸
  7. 黒軸
  8. グレー軸
  9. シルバー軸

キートップを装着しての押下圧を人差し指で押し込んだ重さを感覚的に順位付けしています。

 

  • 軸そのものの押下圧が軽いものほど軽い
  • 押下時の軸摩擦が多いと重く感じる
  • 押下時のスイッチ感(カチ音)があれば重く感じる
  • スイッチ(カチ音)が鳴るポイントが浅ければ軽く感じる
  • 摩擦(こすれ)の位置が浅ければ軽く感じる

 

これらの影響で軸の軽さ、重さに影響が出ています。

 

クリック感ランキング

 

  1. 青軸
  2. 緑軸
  3. 白軸
  4. 茶軸
  5. スケルトン軸
  6. シルバー軸
  7. 赤軸、黒軸、グレー軸

クリック感の評価は以下の条件が揃うものほどクリック感を感じやすい。

  • 軸そのものがカチっと発音するもの
  • 押下途中にこすれ(ひっかかり摩擦)があるもの

※青軸と緑軸は差を感じにくいが青軸のほうが摩擦感と押下距離があり、緑軸のほうが浅めでカチ音が出つつ摩擦が少ないなど、感じ方には個人差があると思ってください。

 

それぞれの軸の違い(特徴)

 

正規のCherry製品かどうか?OEM流れなのか?不明なメカニカルキーボードの各色軸セットでテストしています。家電量販店に置いてるものと同じです。Amazonで購入できる人気のメカニカルキーボードの多くはこの軸を採用しているものと思えます。

 

※「白軸とスケルトン」、「グレー軸とシルバー軸」がそれぞれもしかしたら逆になってるかもしれません。個人的に以下の写真と照らし合わせて参考にするため書き残しています。

 

以下、それぞれのキーを触ってみた印象を羅列しておきます。

 

赤軸

 

 

  • 静音性
    9種の中では静音性は高いほう
  • 軽さ
    押し込み圧は一番軽い
  • クリック感
    ひっかかりによる擦れ音は少なくカチ音は無いため底打ち音にのみがクリック感となる。
  • 評価
    静かで軽い軸の代表格で、静電容量式に近いメカニカル軸とも言えるが軸を使ってる以上わずかな擦れ感もあり、静電容量式のような絶妙なクリック感が残ってないため底打ち音が出やすいかも知れない。

 

青軸

 

  • 静音性
    9種の中では静音性は最も低いが「カチっ」音が特徴とも言える軸
  • 軽さ
    押し込み圧は非常に軽い「カチッ」がなければ一番軽いはず
  • クリック感
    ひっかかりによる擦れを伴いながら大きなカチ音が出るためブラインド時のクリック感は無意識でもわかりやすい
  • 評価
    メカニカルキーボードといえば青軸、そう言っても過言ではないカチカチ音が爽快な軸。ブラインドタッチ初心者にはその操作音がキー操作に正確性を生み出すこともあり周囲への騒音が気にならない環境では活用したい。

 

 

黒軸

 

  • 静音性
    9種の中では静音性は高いほう
  • 軽さ
    押し込み圧は一番重いほう
  • クリック感
    ひっかかりによる擦れ音は少なくカチ音は無いため底打ち音のみがクリック感となるためクリック感が無いと言われる。
  • 評価
    静かなの代表格で、キーの押し込み開始から底打ちまで最も引っかかりが少ない軸。重いけど上質感が高い軸として人気がある静音軸の代表。

 

茶軸

 

  • 静音性
    9種の中では静音性は高いほう
  • 軽さ
    押し込み圧は軽いほう
  • クリック感
    スイッチ(カチ音)は無いが押し始めにひっかかりによる擦れ音がありクリック感を感じやすい。
  • 評価
    メカニカルキーボードの平均的なクリック感、静音性を保つ軸。キートップを擦ると軸のグラつきを感じやすい製品が多いのも特徴。

 

白軸

 

  • 静音性
    確実なスイッチ音があるため静かとは言えない。
  • 軽さ
    押し込み圧は重いほう
  • クリック感
    スイッチが青軸よりやや強く押し込んでカチ音を発生させるタイプ。クリック感は非常にわかりやすい。
  • 評価
    赤、黒、茶、青という4大有名軸とは違う少数派のメカニカル軸。押し込み圧が少々重みがあるため黒軸のクリック有りバージョンという表現が合うかも知れない。

 

スケルトン軸

 

  • 静音性
    9種の中では静音性は高いほう
  • 軽さ
    押し込み圧は重いほう
  • クリック感
    スイッチ(カチ音)は無いが押し始めにひっかかりによる擦れ音のようなクリック感があるため感じやすい。
  • 評価
    赤、黒、茶、青という4大有名軸とは違う少数派のメカニカル軸。クリック後、底打ちまでが重たくなる仕様なので底打ちしにくいという特徴がある。

 

 

シルバー軸

 

  • 静音性
    押し込み時のクリック音もあり押し込んだ後の跳ね返りお供あるたあめ静音とは言えない
  • 軽さ
    押し込み圧は非常に重いほう
  • クリック感
    スイッチ(カチ音)があり、押し込み後の跳ね返りも強い。押し込む際に軸自体も重たいため、人によっては一番クリック感がある軸と感じるかも知れない。
  • 評価
    赤、黒、茶、青という4大有名軸とは違う少数派のメカニカル軸。クリック開始からやや重たく、軽めのスイッチ後、底打ちまでがさらに重たくなる仕様なので底打ちしにくいという特徴がある。

グレー軸

 

  • 静音性
    9種の中では軸そのものの静音性は高い
  • 軽さ
    押し込み圧は非常に重い
  • クリック感
    スイッチ(カチ音)は無い。ただしキー操作時の跳ね返りが強いため「カタっ」と跳ね返り音がわかりやすいことによるクリック感を得られる。
  • 評価
    赤、黒、茶、青という4大有名軸とは違う少数派のメカニカル軸。クリック後、底打ちまでが同じ重さで跳ね返りの強さが最も強い軸。

 

 

緑軸

 

  • 静音性
    9種の中では静音性は低い。青軸と並ぶカチカチ音が最も大きい軸。
  • 軽さ
    押し込み圧は軽く、青軸よりやや重く感じる程度。
  • クリック感
    青軸よりやや思いバネによる「わざかな重さ」がスイッチ(カチ音)までの押し込み感を感じやすい。
  • 評価
    青軸と同等にカチ音が大きい緑軸。青軸よりもやや思い押し込み圧の影響でキーの底打ち音(コンコンする音)を出さずに軸のスイッチによるカチ音だけのクリック音を目指せる軸とも言える。

 

ピンク軸

  • 静音性
    赤軸をさらに静かにした感じ
  • 軽さ
    押し込み圧は赤軸相当で軽い
  • クリック感
    スイッチ(カチ音)は無い、擦れも感じにくい。
  • 評価
    サンプルは持ち合わせてないが、量販店で触った感じ、最も軽く、静かで静電容量式に近い印象を受けた軸。

 

 

静電容量式キーボードとの比較

 

  • 静音性
    軸がないため、擦れ、スイッチ音は無いため静かだが、押し込んだ後の跳ね返りでキー独特の「ペコン♪」という音が出る。
  • 軽さ
    押し込み圧は上記9種のどれよりも軽い(35g)変荷重の55gでも赤軸程度。
  • クリック感
    スイッチ(カチ音)はメンブレンのようなキーの下にあるウレタン素材がヘコむ際に発する上質なスイッチ感をわずかに感じる。メンブレン好きには好ましいクリック感と言える。
  • 評価
    Realforce、HHKBと高級キーボードの代名詞でもある静電容量無接点方式によるメカニカルキーボード。キーの押し込み開始時にわずかに感じる「無音のスイッチ感」キー押下途中で入力反応するため底打ちしなくても軽い操作でタイピングが可能になる方式。市販品では全般的に「軽すぎる」印象はあるが、跳ね返り時の「ピキン」とか「ペコン」という感じの擬音が似合う独特のキー操作音に魅了される。キートップの素材がザラザラしつつも滑りやすい素材になっているため交換用キートップが無い製品では不満があっても買い替えしにくい高価なキーボードであるというデメリットが有る。

 

キートップが交換可能な静電容量式キーボード

 

 

このNIZというメーカーの87キーUS配列を愛用していますが、Realforceのようなペコペコ音(個人的には好きな音)がなく、キートップと指の爪による擦れ音や当たり音も少ない。それゆえ、市販のメカニカルキーボードでは最も静かなキーボードではないか?と感じています。(サクサク、サクサクという感じの音がします)

 

ただし、キーの押し込み圧は非常に軽いため、使う人の癖によっては軽すぎてミスタッチが増えるかも知れない。(その対策でバネレート10g相当のチューニングスプリングを50本が同梱付属)静かで有名ブランドの製品よりも低価格、さらに好みのキー押し込み圧にチューニングも可能な静電容量式キーボード。非常に静かで独特のキータッチ音が作業現場に癒やしをもたらします。先に挙げたメカニカルキーボード用のキートップなら何でも使えるという自分仕様への幅が広がるキーボードです。

 

Bluetoothによるワイヤレス接続が可能な2018年時点では貴重なメカニカルキーボードです。