ネットでPUBGヘッドセットおすすめ、などと探していると、5.1ch対応だの7.1ch対応だの書いたページが見つかりますが、ヘッドセットそのものは2chですからお間違いの無いように。
こういう書き方してるページを見たら要注意
こういう間違った表現してるサイトが多く、勘違いする学生さんも多いと思います。以下はオーディオ趣味のおじさんからの注意書きです。若い学生さんたちが5000円以上の大枚はたいて買う製品には注意が必要ですからね。
人間の耳は2つなので、ヘッドフォンのドライバーユニットは2個あればサラウンドの再現に関して十分可能なのですが、イヤフォンとヘッドフォンで立体音響に違いが出るという意見にはうなずけません。
ゲーミングヘッドセットの嘘
ヘッドフォンには左右1基ずつのスピーカーユニットがあり物理的には合計2chです。これをWindows側にソフトウェアドライバーいれて5.1chとか7.1chを仮想で表現しているだけです。
決してヘッドフォンに7つのドライバーユニットが付いているわけではありません。
稀にそういう複数のユニットを装備した本物のサラウンドヘッドフォンもあります。
これはスピーカーによるサラウンドを再現するかのような商品ですが、これも耳に当てて聴くヘッドフォンである以上なかなかスピーカーのように現実のように前後左右を認識することは難しいようです。
ゲーミングヘッドセットのサラウンド表現に注意
本来、スピーカーによるサラウンドは空気振動を人の肉体全身で受けるため前後左右に配置した7つのスピーカーなどで立体音響を再現しやすいものです。しかし左右2つのユニットで音を鳴らすヘッドフォンでは根本的にそういう人間の肉体に伝わる空気振動もなければスピーカーサラウンドのようにDSP(サラウンドプロセッサー)による室内壁の反響を予めデジタル処理したような実際の空間で発生する音のズレを再現できません。(ヘッドフォンが直接触れる人の耳がいろんな形してるので予め設定できない)
しかし、2つの耳で聴くだけでもソフトウェアによって「映像と時間がずれた音」を組み合わせることで視覚による記憶と聴覚による錯覚によって全体の音を立体的に感じることは可能です。仮想のサラウンドです。そうした仮想のサラウンドを使用するヘッドセットがゲーミングヘッドセットです。
ゲーミングヘッドセットは基本的に2chのヘッドフォンです。ゲーミングヘッドセットの製品販売ページ見ると堂々と7.1chなどと書かれているため多くの人はそのようなch本数のスピーカーが左右の耳のケースに装着されているものと誤解します。。
言い換えると、サラウンド再生可能なソフトウェアドライバーさえあれば市販の300円のイヤフォンで十分サラウンドなんです。
などと言った具合に表記を義務付ければスピーカーサラウンドと誤解してしまうユーザーも減るのではないでしょうか。
各ヘッドセットに違いがあるとすれば
それぞれの製品に音質面の違いがあるとすれば、
- 使用するヘッドフォンドライバーユニットの性能
- 付属するオーディオソフトウェアドライバーの設定
これくらいです。
ドライバーがかぶってややこしいですね、。すいません、
4センチドライバー採用とか5センチドライバー採用とか書いてますが、周波数特性やインピーダンスなどオーディオ向けの表現が一切無い製品ばかりなので音質の宣伝文句は信用しないほうが良いです。ユニットサイズだけで製品の音質は決まりません。
繰り返しますが、ヘッドフォンのイヤーパッド内にあるドライバーユニット(音が出る部分)は左に1個、右に1個の合計2つです。(特殊なモデルを除く)
仮想の5.1chや7.1chなので数字が増えるほど音質は悪化するものが多くなります。(ヘッドフォンのユニットの性能とパソコン本体のオーディオアンプ性能が不足してるため)
ゲーミングヘッドセットの性能の違い
あらっぽい言い方をすればゲーミングヘッドセットの場合、その違いがあるとすればヘッドフォン購入時に付属する「PCへインストールするドライバー」のセッティングに違いがあるくらいです。前後左右の位置関係を聞き取るにはこのソフトウェアドライバーの調整が聴覚に大きく影響します。
- ヘッドフォンユニット内部のドライバーユニット
- PCへインストールするソフトウェアドライバー
そもそもゲーミングヘッドセットはオーディオ目線で見ればろくなドライバーユニットは使われていません。普段お使いの1000円くらいのイヤフォンのほうが良い音に聞こえるはずです。
立体音響の効果
Windows標準の7.1chでも十分立体音響を聞き取れるのですが、ゲーミングPC専門メーカーの提供するソフトウェアドライバーはFPSゲームで聞き取るべき周波数を聞き取りやすいように調整しています。
MSIのパソコンに最初からインストールされているNahimicはなかなか優秀で、普段遣いのイヤフォンでも前後左右の敵の位置関係を把握しやすい印象があります。
ゲーミングヘッドセットの選び方
先程あげたASUSの特殊なリアル7.1chヘッドフォン以外はどんなに有名なプロゲーマーが宣伝していようと2chの偽物です。
偽物というと大げさですが、仮想の7.1chを安物のヘッドフォンドライバー2本で鳴らすだけのものです。ですから好みの製品を探す際は音質には期待せず「見た目」で選べば良いと思います。
見た目で選べばいい
- とにかく見た目がかっこいいもの
- 大好きなゲーマーが使っているもの
- 大好きなブランドの刻印があるもの
こういうものを選べば幸せになれると思います。
量販店で20種類程度のゲーミングヘッドセットをチェックしましたが、イヤフォンよりよい音がするヘッドセットは皆無と言っていいレベルです。高音が聞き取りにくい、低音がぼわーっとかぶりすぎるなど。。
音質を求める場合は、あまりネットの情報や中国の販売業者による広告に惑わされないようにしましょう。
音質は期待してはいけない
ゲーミングヘッドセットを探すときに音質は求めないほうがいい。一つだけ言えるのはヘッドフォンよりも普通のイヤフォンのほうが高周波数、低周波数、中域の周波数を聞き取りやすいものです。
ゲーミングヘッドフォンはイヤーパッドの材質やケースの材質、ケーブルの材質などオーディオ向け製品ほど良い素材を使うものは無いので音質は期待しないほうが良い。
音質を期待するならオーディオ用の評価が高いものを選ぶべきです。(ただしマイクがないけど)マイク付きなど同一ケーブルに余計な帯磁環境がある状況で高音質は期待してはいけないというお話はオーディオ界ではよく聞く常識です。
選ぶならドライバーの信頼性で選ぶべき
NahimicでPUBGやBF1をプレイしてみると、今までのWindows10標準の立体音響よりも前後の位置関係が若干わかりやすいというか、聞き取りやすい用に感じました。高域の周波数と100Hz以下の周波数をうまく調合し、そこにリバーブをややかけることで人間の聴覚で仮想7.1chが感じやすい仕様になっているようです。
ちなみにAmazonで売ってる1000円のイヤフォンでプレイしました。5万円ほどするヘッドフォンとイヤフォンで試しても位置関係の表現は同じです。
Nahimic以外にも各社さまざまなゲーミング用のサウンドドライバー(ソフトウェアを可動できるサウンドカード)なども用意しているので、音質を求めて選ぶならそっちのハード面(ゲーミング用サウンドカードとオーディオ向け高音質ヘッドフォンやイヤフォン)を良いものにすることで高音質で敵の位置を把握しやすい立体環境を得ることができそうです。
高音質とは
高音質をオーディオ向けに表現すると長くなるので割愛しますが、FPS(特にPUBG
など)で敵の位置を聞き取りやすい音質は高音再生能力が高い環境です。そのため高音が聞き取りやすいイヤフォンやヘッドフォンを選ぶ、あるいは再生能力の高いサウンドカードを使用するほど位置関係は判断しやすいはずです。
ヘッドフォンは殆どの場合イヤフォンよりも高音、低音が聞き取りにくいものです。また年令によっては高音が聞こえにくく低音がうるさく感じるなど、人は多くの場合年齢で音の聞こえ方が違ってきますので、レビュー見る際も「書き手の年齢を想定する」ことで「あなた自身の商品選びの正確性」が出てくるかと思います。
ちなみにこれ書いてる人はもうすぐ50歳なので「高音質=高音より」の表現が増えています。
また、音質というものは「思い込み」でも大きく聞こえ方が変わる生き物なので、広告やあこがれの人のオススメに素直にのかっるのも良い判断だと言えます。めっちゃいいものを買った喜びはめっちゃいい音を生み出します。(心理学より)
このへんを選ぶといい
ゲーミング環境でのヘッドフォンはあくまでもかっこいい見た目を作るためのアイテムであり、ボイスチャットをする人がマイクを装着するための道具という位置づけで見ておけばいい。あとヘッドセットは耳の大きさに合うかどうか注意が必要なので購入してない人のおすすめ記事はあてにしないほうが無難ですよ。
基本的にはゲーム専用と考えてオーディオの音質にこだわるような選び方だけはしないほうが幸せになれそうです。
PUBGにおすすめのゲーミングヘッドセット
以上を踏まえて「かっこいいもの」を選ぶのがベスト
価格は3000円位までで探すほうがいいですよ。
オーディオメーカー品なら音質も期待できる
最近はオーディオメーカーもゲーミングヘッドセットをリリースしてるので、音楽用として歴史も深くユーザー評価も高いゼンハイザーやオーディオテクニカ製品などを選べば音質も期待できそうです。
密閉型か開放型か?迷ったら高音好きなら開放型、周囲への音漏れを抑えたいなら密閉型という感じで選ぶといいです。※高級モデルを除いたら一般的には開放型のほうがスッキリサウンドになりがちです。
7,1chゲーミングヘッドセット用アンプ