Amazon music HDを使い始めたので、久しぶりにハイレゾ音源を耳にしております。
さて、表題のとおりですが、
Bluetoothでハイレゾ音源を聴こうとしても現時点では受け側のDACがハイレゾで受信できて、イヤホンのドライバーまでハイレゾ(16bit 44.1kHを超えるデータ)のままAUX出力(アナログ化)できているか?
といわれると、残念ながらほとんどのイヤホンやBluetoothスピーカーではこれが出来ない。
Amazonで販売されている中国製品のBluetoothイヤホンやBluetoothスピーカーでハイレゾ再生はまず出来ないのが現状です(2019年10月現在)
BluetoothイヤホンでULTRA HD(ハイレゾ音源)鳴らすと
まだまだハイレゾ音源の楽曲そのものが少ないAmazonmusic HDですが、それでも一応ベーシックな楽曲では24bit 96kHzの音楽データをストリーミング可能です。
これをハイレゾ対応のDAC(デジタル・アナログコンバーター)へUSBケーブル経由で接続すれば何ら問題なくハイレゾ再生されます。それなりに低域高域のダイナミックレンジを持つヘッドフォンやイヤフォンをDACやアンプに接続すればハイレゾ再生を堪能できるというわけです。
しかし、Bluetoothイヤホンに接続するとご覧のように16bit 44.1kHzとなります。
これはCD音質あるいはストリーミングの環境次第ではそれ以下の音質となります。
耳で聞けばわかりますが、わりとスカスカした感じの音になるのがBluetooth経由のデジタル・アナログのコンバート結果です。
そのため、多くのBluetoothイヤホンが低音が目立つようなドライバーユニットを使用したりなんだか籠もった音に聞こえる製品が多いようです。
もちろんそうでないイヤホンも多いのですが、結局人間の鼓膜へ届く際にバランス取れていればBluetooth経由によるデータ欠損(ダウンコンバート)を経由してもいい音に感じやすい。特に効果なBluetoothイヤホンやブランディングは上手なメーカーの製品を使えば「すごいいい音」と感じたくなるものです。
現時点でBluetoothイヤホンを使ってハイレゾ音源を聞いても殆どの場合、それはハイレゾ音質には程遠いMP3程度の音質です。
しかしながら、ハイレゾ並のデータ転送を可能にするコーデックも存在します。
ハイレゾ並のBluetooth
その代表技術がソニーのLDACとクアルコムのaptX Adaptiveです。
以下引用で解説を載せておきます。
ソニーのLDACとは
SBC等の既存Bluetooth向け圧縮技術とは異なり、ハイレゾ音源を低い周波数・低いビット数へダウンコンバートすることなく処理します 。また極めて効率的な符号化やパケット配分の最適化を施すことで、従来技術比約3倍のデータ量の送信を可能とし、これまでにない高音質のBluetooth無線伝送を実現しています。
今までのBluetooth(SBC)では、伝送時に音質が劣化します。
ハイレゾをCD品質にダウンコンバートという具合に劣化します。
通常デジタル音源はBluetooth(SBC)に圧縮時に音質劣化する。
一方、ソニーが開発したLDACでは、伝送時の音質維持を実現既存技術に比べ最大約3倍の情報量が伝送可能ビット深度(bit)/周波数(kHz)を維持したまま高音質伝送可能高い圧縮効率と再現性を実現したと書かれています。
(ソニーのLDACより引用)
もうひとつのハイレゾ並のBluetoothによるデータ転送技術はaptX Adaptive
クアルコムのaptX HD aptX Adaptive
aptXは、米Qualcomm(クアルコム)が開発したBluetoothのA2DP(オーディオ用プロファイル)に対応するオーディオコーデックだ。A2DPの必須コーデックであるSBCに比べ、より圧縮効率が高く、ベターな音質と低遅延が特徴となっている。そのaptXに新しく「aptX Adaptive」が加わった。
aptX HD
aptX HDとは、Bluetoothのオーディオ向けプロファイルであるA2DPで利用可能な音声コーデックの一つで、aptXを拡張してBluetoothの規格内でハイレゾ相当の高音質伝送を可能にしたもの。
A2DPの標準コーディックであるSBCやiPhoneで使用されているAAC、aptXといった既存のコーデックのビットレートが最大48kHz/16bitなのに対し、aptX HDでは最大48KHz/24bitとより繊細に音を表現できる。同じくハイレゾ相当の再生が可能なコーデックにLDACがあるが、LDACではビットレートが変動するのに対し、aptX HDは固定という違いがある。
利用するには送信側のスマートフォン、受信側のBluetoothヘッドフォンがともに、aptX HDに対応している必要があるが、どちらかがaptXのみに対応している場合は、既存のaptX規格で伝送される下位互換性も備えている。
aptX Adaptive
従来のaptXは固定ビットレート(CBR)だったのに対し、aptX Adaptiveは新たにVBRを採用して音質を維持しつつ高効率圧縮を達成しているという。
aptX(48kHz/16bit)= 384kbps → aptX Adaptive=279kbps
aptX HD(48kHz/24bit)= 576kbps → aptX Adaptive=420kbps計算すると、約3割データを節約できていることが分かり、通信の安定性向上に貢献するのは明らか。音質面では、英サルフォード大学で音響工学を学ぶ耳の肥えた学生や演奏家を目指す学生の協力を得て6カ月にわたり200曲ものサンプルを用いた聴感テストを繰り返し、コーデックの音質を左右するアルゴリズムをチューニング。オリジナル音源と違いが判別できないレベルであることを確認済みという。
ハイレゾ対応Bluetoothイヤホンとヘッドフォン
ハイレゾ対応といってもハイレゾ級というレベルのものですが、現在市販のBluetoothイヤホンで入手可能な製品はソニーのLDAC対応の製品が主流です。
その他 おすすめハイレゾ対応Bluetoothイヤホンのまとめ
以上の通り、
特別にapuXHDやLDACやに対応したBluetoothイヤホンやレシーバー意外の製品はハイレゾ対応していません。
いつものように格安のイヤホンをAmazonで探しても中華製品のイヤホンではハイレゾ音源には対応できていない製品が多いというのが現状です。
- 従来より高音質
- Bluetooth5.0対応
- HiFi高音質
などと宣伝文句が書かれていてもハイレゾに対応しているわけではないので気をつけてくださいね。
- Bluetooth対応
- LDAC
- aptX HD(アプトエックス エイチディー)対応
と書かれていない製品はハイレゾ音源を鳴らしてもCD音質以下の従来どおりのBluetoothイヤホンです。
ハイレゾに対応しているBluetoothイヤホン(ヘッドフォン)は以下の表記があるはずです。
- Bluetooth対応
- LDACあるいはaptX HD(aptX Adaptive)対応
という表記があるはずです。
しかし、それでも
aptX HD対応と書かれた製品でも
これだけハイレゾ音源が詰まった音楽アルバムを再生した際
従来どおりの16bit 44.1kHzになって再生されます。
Amazonの中国製Bluetoothイヤホンやヘッドフォンはまだまだハイレゾ再生(LDACやaptX HD)には対応しきれていないのが現状のようです。
記載があっても実際に再生すると、思ったようなビットレートで耳まで届いてなかったりします。
まとめ
ハイレゾ対応と入ってもBluetoothなので有線で聴くハイレゾよりは少なからず劣化しているものです。
加えて、イヤホンそのものの特性(低音強めとか高音強めとか)もあるのでハイレゾ対応製品だからといって「良い音」とは感じにくいものです。
私も過去にハイレゾの広告文言に踊らされて無駄な散財を繰り返しましたが、
ハイレゾ対応だからいい音がするイヤホンだ!というわけではないので気をつけてくださいね。
好みの音が出ていればそれでいいんです。
とはいえ、
せっかくの新時代のハイレゾ音源
ワイヤレス再生環境の進化
これらはまだまだ発展するはずなので、できれば本当に良い音源を高音質なイヤホンやスピーカーなんかで聞いてみたいものですよね。
現時点ではソニー製品が一歩リード知てる感じなので、Bluetoothにこだわる方はソニーのLDAC対応イヤホンを使ってみるのもいいでしょうね。
このあたり、有名なLDAC対応ヘッドフォンなのでハイレゾ&ワイヤレスという次世代高音質視聴環境の入門用にもよさげですね。