SHURE SE535 LTDレビュー高音再生が優れたイヤホンならではのiPhoneとのマッチング原音再生能力の高さが魅力

SHURE SE535 LTD

個人的に愛用してるイヤホンSHUREのSE535 LTD-Jというモデルです。

このイヤホンに至るまでにSHURE 215を使い、最上級モデルのSE845を聴き比べした結果、このSE535を購入し長く使ってる次第です。

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SHURE SE535 LTDの音質特徴

カナル型イヤホンの中でも高音質で日本国内では非常に評価の高いモデルです。確かに一聴してわかるくらい音質は良いといえるものです。

ただし音質の評価は個人の好みによるものが前提としてください。購入前にAmazonやいろんなサイトのレビュー評価も見ましたが、実際に使うとそれらとほぼおなじ内容の評価になります。

このイヤホンの最大の特徴は

高音が素晴らしく伸びること。これが最大の特徴です。

高音が伸びるというと超高音域(10KHz以上)の再生能力が高いように思われることが多いのですが、確かに超高域の再生能力も優れていますが、人の可聴帯域はほぼほぼ10KHz程度までですので、そこの再生音評価というのは実際のところ疑問に感じます。

ここでいう高音再生能力というのは1KHzを中心に前後2オクターブ周辺の再生能力が非常に高いことを言います。

私個人のオーディオ(音楽鑑賞)での音の好みはスピーカー再生音が基本になってます。もともとはヘッドフォンやイヤホンで音楽聴くのがうっとおしいと思うタイプでしたのでヘッドフォンやイヤフォンを選ぶときは自分の好きなスピーカー(オーディオシステム)の再生音に近いものを選ぶようにしています。

自分が好む再生音は

先に述べましたように1KHzを中心とした上下2オクターブが聞こえやすく明瞭に再生する装置です。これはつまりボーカル帯域をかなり原音に近い再生するスピーカーユニットやイヤフォンユニットなんかで「原音に近い再生」と感じやすいように自分では感じております。

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70年代~80年代のオーディオブームの時代には米国製のJBLやタンノイなど高級スピーカーで大型スピーカーユニット(振動板の部分)を採用してたモデルが多く、当時の音は「声の再生をいかに正しく行うか?」という評価でオーディオ各社が技術を進化させてきた時代でした。再生する音源メディアはアナログレコードが主体の時代でした。その後CDが普及し、CD音源がレコード音源よりも強く低域再生データを多く含むこともありオーディオ製品で音を最終的に表現するスピーカーも低音再生の歪を少なくし量感をアップさせたように思います。その結果さきほどのボーカル帯域にあたる高域再生において表現力が弱まり、スピーカーの再生周波数のスペック上のレベルをあげるために再生周波数上限は20KHzや40KHzなどと数値だけ上がって実際に耳に聞こえてくる音は往年のオーディオブームの時代に聞こえた美しく分厚い高音とは甚だ異なるものと変化していったように思います。

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※愛用してる自宅のメインユニットJBL D123 8Ωフルレンジで柔らかい低域再生力と分厚い押し出しのある高域再生能力が魅力

長々と勝手な思い込みの回想を並べましたが、お伝えしたいことはSHURE SE535 LTDは高音を忠実に分厚く(人間の耳に非常に伝わりやすい)表現できるイヤフォンだということです。自分の好みのスピーカーの音によく似ています。(現在愛用するメインスピーカーはJBL D123という30センチのフルレンジユニットとホーンスピーカーによる2ウェイ能率100db程度のものです)。

簡単にいいますと、個人的な好みの音というのは能率100db以上の高能率スピーカーによる出音ということになります。SHURE SE535 LTDの音はそれに非常に親しい音と個人的に認識しています。

かなり比較した結果の選択でした

購入にあたり低価格のものから高価なものまで100本以上のイヤフォンを量販店やイヤホン専門店で聴き比べしていましたが、これほど高音が伸び、高域成分を多く含む楽器音の再生が原音に近く忠実に感じたものはなかったといえるほどです。強いて言うなら今愛用してるヘッドフォンこれまたSHUREのSRH1440という製品ですがこのヘッドフォンがさらにエグい高域再生とするヘッドフォンだったりします。(こちらはアンプ接続向き)

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低域再生は弱いと言われやすい

SHURE SE535 LTDは低音が弱い、、といったレビューも多く見かけましたが、一般に流通してるイヤホン、ヘッドフォンの多くは低音が目立ちすぎて高音が弱く感じるものが多いです。さきほど書いたようなレコード時代からCD音源再生の時代へ移り、現代でもそのCD再生時代に合わせた表現をするスピーカーしか販売されてません。おそらくイヤホンもそのような現代サウンドと言われる「低音ボン付き気味で高音シャリシャリしたような音」が一般的に人気があるようでその結果そういう音しか出ないイヤホンが多く販売されてるのではないかと思います。

私個人の音の好みはというと

私は低音の量がやたらと多い(周波数でいうところの80HZ、300Hz付近が強く鼓膜を圧迫)が無駄に強められたチューニングが嫌いです。家庭用のスピーカーでいうと、このあたりの周波数が強いものは屋内の壁などに反射が強く耳にボンついた感じに聞こえやすく低域成分を含むエレキベースやバスドラ、ウッドベースなどのスタッカートがドン!ドコッ!と聞こえやすくなります。そうなるとその楽器本来の音の表現は非常に聞こえづらくなり、他の楽器屋声などの再現力も同時に低下して聞こえるようになります。さきほども言いましたが、高能率スピーカー(ホーンスピーカーなど)による音源の微妙かつ繊細な表現力は音楽にバランスよく熱を与えてくれるように感じるので個人的に大変好みの音です。

ユニットの高域再生力が低音楽器の音質を決定づける

やはり高域(1KHz前後2オクターブ)が聞こえやすい設計のスピーカーでないとウッドベースの弦を弾くゴリゴリした音やドラムスのビシバシ、ベタベタしたリアリティのある音は再現できない(耳が認識できない)と感じています。決して低音が弱いわけではなく高域特性が優れていることで低域の再生音との倍音効果で中高域が押し出し感を持って聞こえるという高能率ユニットならではの音です。もちろん人間の耳ですので一般的には安くで市販されている低能率のこのような低周波数の量だけアップしたようなドンシャリ系の音でもリアリティがあると認識する方もいるでしょうし、何よりそれが好きという方も多いのかもしれません。

SHURE SE535 LTDは低音再生が弱いのではなく、全体バランスとして中高音の再生力が高く、非常に美しい低域成分の再生を耳へ認識させてくれるイヤホンです。BA型(バランスドアーマチュア)ですので構造上もダイナミック型とくらべて音は繊細になりやすいという特徴もあります。

ドンシャリが嫌いだから

表現をドンシャリなどに合わせるとすればそういう中間が抜けたような音ではなく「ゴリゴリキンキン」という感じでしょうか。(バスドラ、ベースがドン!ドンして音階認識がしにくく高音はハイハットの音がシャリシャリするようなものをドンシャリ。バスドラがベタっ!スネアドラムがベシっ!ウッドベースがゴリっ!ハイハットがキンキン、チキチキ♪と聞こえやすいものがゴリゴリチキチキという区分けですゴリチキです。)

iPhone&iTunesとのマッチングがいい

iTunesの音源はCD音源の音に非常に近い周波数特性を持ってます。つまり低域が強めにデータ保持されたような音源です。なのでSONYのウォークマンでは透明感があるように聞こえるようなwavデータの同じ曲をiTunesのファイルで聴くとファイル形式の如何にかかわらず低域が強いせいで高音が少し弱いように感じやすい。またiPhoneも付属のイヤーポッドで視聴すると素晴らしい高音質(高域の透明感とリアリティ)を感じますが、一般的なカナル型イヤフォンで聴くと低域が鼓膜を圧迫するようなドンシャリ系に近い音に聞こえやすい。しかしSHURE SE535をiPhoneやiPadに挿してiTunesを再生すると再生機器の組み合わせ特性によって非常にバランスのとれた音源再生が可能になります。

以上のような個人的な主観のもと、SHURE SE535 LTDの音質は非常に高音質だから好きだということになります。

よく聴く楽曲、再生するプレイヤーによっては高音だけシャリシャリチャキチャキ聞こえたりもするのでiPhoneやiPodとのマッチングが非常に高いイヤフォンという印象です。

携帯性など

SHURE SE215を使っていて2回ほど断線してしまったので普段は215のケースにSHURE SE535 LTDをしまいこんで運ぶようになりました。535の純正ケーブルは他のグレードと比較して非常に太く導電性が高いものです。なので断線はしにくそうな厚い皮膜で構成されてます。

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耐久性がありそうなSHURE SE535 LTDの純正ケーブルですが、同等品が単品販売されてないようなのでこの純正ケーブルを大事にするしかないと思いケースにいれております。ダイナミック型イヤフォンの215にこのケーブルを接続しただけで中高域の分厚さ明瞭さが飛躍的にアップしましたのでケーブルもSHURE SE535 LTDを構成する重要なパーツといえるでしょう。

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SHURE SE845も繊細かつ高域の再生能力は545以上のものだと感じましたが、音の再生においてやや線が細いシャープな出音に感じたことと価格が高いのと断線時に代替品が見つけにくそうだと思い、こちらの545を選択しました。所有感は高価なものほど満足できると思いますが自分にはこの545でも十分高い所有感を満たされています。

このイヤフォンをオススメしたい人

最後になりますが、このイヤフォンをおすすめしたい人は

  • 低音の音階が聞こえやすいものが好き
  • 高音が明瞭で伸びのあるものが好き
  • ボーカル再生が生々しいものが好き
  • JAZZが好きでJBLの古いスピーカーの音が好き
  • ロックやR&Bでバッキングのミュートギターが聞こえやすいのが好き
  • ポップスや歌謡曲で歌声がメインで聞こえるものが好き
  • iPhoneやiPodでiTunes再生する人

こういった好みや趣向の方にはかなりマッチするイヤフォンだと思います。

 

 

スペック表記

音声感度 119 db
バッテリー要/不要 いいえ
型式 密閉型
ケーブルの特徴 着脱式、ワイヤーフォームフィット機能付き
ケーブルの長さ 116 cm
ヘッドホンジャック 金メッキ3.5mmステレオミニプラグ
ノイズ除去レベル (最大 dB) 37 db
コントロールタイプ リモコンなし
周波数応答曲線 18 Hz~19.5 kHz
インピーダンス (Ω) 36 ohm
形状 カナル型イヤホン
防水性 なし

 

 

2018.2.11追記

普段もこのSHURE SE535を持ち歩いてますが、最近はこのイヤフォンばかり使ってます。もちろんSHUREはいい音なのですが、音の好みって時期や年齢で変わるので最近はこういう1000円未満ので十分満足しています。