この記事は2015年当時、初心者である自分がオーディオ研究の流れで低音豊かなCM5というスピーカーを分解してフルレンジで鳴らしてみた感想です。
当時、スピーカーの構造についてユニットの特性やクロスオーバーネットワークについて全く理解できてなかった頃の体験談です。能率が高いスピーカーこそ正義と思ってたときの体験談です。
B&Wはとんでもない特殊なネットワークとスピーカーの構造を作れるすごいメーカーだと思える話です。
能率が低いことが生み出すウルトラ級の高音質
2026年3月21日 追記部
70年代の能率が高いユニットを使ったスピーカーシステムが好きで、JBL4311Aのような明るく明瞭なサウンドが好みだった自分は、B&Wのスピーカーってスペックで見る能率が低いから、暗い音だとか、引っ込んだ音質だと思ってました。
しかし、それは技術によって作り出されたウルトラ級の高音質だということがわかった。2026年の今でもピアノ、チェロ独奏や交響曲の良い録音ソースを鳴らすならこのスピーカーが一番良かったと思っています。
CM5は特殊なネットワークの2ウェイスピーカー
ワイドレンジの2ウェイスピーカーを作るなら、普通に考えると低音がよく出るユニットをウーファー部に使い、高域はツイーターをあわせてクロスオーバーネットワークで程よいところで音を合わせる。
あるいはフルレンジユニットを低音用に使い、同様にクロスオーバーでツイーターを追加する。
そういう構造をイメージするのが普通だと思いませんか?
しかし、B&WのCM5という2ウェイブックシェルフスピーカーはそれとは全く違う次元のスピーカーです。
ウーファー部はとんでもない高域ユニットを使ってるんです。
Matrixを見てもわかるように、このファイバーコーンのユニットはツイーターユニットです。
中高域専用のスコーカー的なユニットです。
単体鳴らしても低音なんて出ません。
出てないわけでないですがフルレンジで鳴らしても低音はほぼ聞こえません。

CM5の黄色いユニット、ウーファーユニットと表現されますが、このユニットの単体での周波数特性はツイーターそのものです。
低音は全く出ません。出てないわけではなく中高域がやたらと強いユニットです。ユニットの能率も異様に高いのではないでしょうか。
このツイーターのような高域ユニットを複雑な構成のクロスオーバーネットワークによって周波数レスポンス低音52Hzから22KHzの超高域まで±3dbに収めるという驚異的なセッティングが施されていました。(加えてエンクロージャー(材質、構造、猛烈に詰め込んだ吸音材も関連すると思います。)
周波数特性は脅威の45Hz~50kHzで -6dBです。
この分解作業当時、スピーカーの能率が低いことは良くないことだと思っていたこともありましたが、ネットワークを使って猛烈に能率を押し下げ高音質化する技術。
これは芸術のレベルだと思った。
B&Wのスゴイ技術
個人的には70年代のJBLスピーカーのように低音用は能率の高いフルレンジユニットを鳴らし、さらに強い能率のツイーターを被せて追加する構造のスピーカーが好みですが、このように高能率ユニットを2つともフィルターで抑え込んでコントロールするスピーカーもある。
B&Wの恐るべし技術、オーディオ歴10年にして気付いたことです。
B&W社はこのような高域ユニットを低音用ウーファーとしてしまうほど恐るべき高い技術力があるのだなと感じたわけです。
ツイーターをネットワークで猛烈に低能率化させ低音用ユニットとして使い、異様なまでに超高音までフラットな出力が可能な超高音ツイーターを高音用ユニットとして組み合わせる。
そして生まれた超低域から超高域まで±3dbの超絶フラット特性を持つコンパクトスピーカー。
このサイズでありえんやろ?
と思えるようなフラット特性のスピーカーです。
CM5はすごい技術が盛り込まれたスピーカーなんだなということがわかりました。
B&W CM5スペック
| 方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
| 使用ユニット | 中・低域用:16.5cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
| 再生周波数帯域 | 45Hz~50kHz -6dB |
| 周波数レスポンス | 52Hz~22kHz ±3dB |
| 高調波歪 | <1.0% 100Hz 22kHz <0.5% 150Hz 20kHz |
| 出力音圧レベル | 88dB/2.83V/m |
| 公称インピーダンス | 8Ω(最低3.7Ω) |
| クロスオーバー周波数 | 4kHz |
| 推奨パワーアンプ出力 | 30W~120W |
| 外形寸法 | 幅238mm×高さ418mm×奥行き351mm |
| 重量 | 8.9kg |
52Hz~22KHzまでが±3dbに収まるという素晴らしいフラット特性
低能率スピーカーには全体バランスの良さという面で音質面での良さもあります。
それを経験させてくれたのがこのCM5のフルレンジ化実験でした。
以下、当時の体験談です。元記事
フルレンジが欲しくて2ウェイスピーカーを1ウェイに変えてみたらどうなるのか?B&W CM5で試したが
狭い我が家で使えるコンパクトスピーカーで
- できるだけダイナミックレンジがあって
- ボーカルや弦楽器の音が前面に押し出してくる
そんなスピーカーをイメージすると
やっぱりFOSTEXのフルレンジスピーカーがほしい。
でも今は買う余裕ないし^^;

じゃあ、手持ちの2ウェイスピーカーで
ツイーターを切って
フルレンジにしたらどうなのか?
ということで
手持ちのB&W CM5というスピーカーで
ツイーターを切って16センチのフルレンジ一発に変えてみよう!
B&W CM5をフルレンジ化
とりあえず
スピーカーの端子につながるネットワークをはずして
ウーファー部に直接アンプからケーブルつなぐだけ
だけど
分解がちょっと面倒
まずはツイーターに養生^^
そして、六角レンチでユニット外周の飾りを外していく

外周の飾りが外れたら
ユニットを外す

このユニット、
思ったより重いので
ガリっ!!とずり落ちて
エンクロージャーキズだらけになるので
要注意。。
なんとかうまく手を忍ばせ
ユニット外し成功

エンクロージャーの中は
キツキツに埋め込まれた消音材?吸音材
密閉型のYAMAHAの1000Mに負けないくらい吸音材が入ってます。
これがこのスピーカーのキモになっていることを
このあと知ることに。。。^^;

とりあえず
折りたたんでぎっしり押し込まれた
吸音材を取り外す

ユニット真後ろの吸音材をはずすと
エンクロージャーの背面に取り付けられているネットワークが見える
ドイツのムンドルフ社製の高級コイルと抵抗がくっついてた

このネットワークを外したいので
後ろのターミナル部分をまるごと外す

ネジ6本をプラスドライバーで外した
ネジの頭見るとプラスではなく、★っぽい変な形状だけど
なんとかなめずに外れた

ネットワーク部分に
ごっつ重たいネットワークがくっついて

引きずり出すのにちょい苦労
知恵の輪ぽい?
まっすぐ引き出せば取れました、、
いや。取れない^^;

どうやら
ツイーターにつながる内部ケーブルが
ハンダで固定されてるようで、、
このままネットワークを引っ張り出すことが出来ない。

どうしたものか??
としばらく悩んだが
ハンダはずしてまで試すことでもないやろ。。
ということで
めっちゃ雑につないでみることに

とりあえず
アンプから伸びるスピーカーケーブルを
このウーファーの端子に取り付ける
2ウェイなので
この16センチユニットをウーファーと呼んでるが
あとでとんでもないことを知ることに。。

とりあえず
スピーカーから着てるスピーカーケーブルを
バスレフダクトから通して
16センチユニットに直接つないだ

反対側も
同じように
バスレフダクトからスピーカーケーブルつなぐ

視聴して驚きの音質
さて
役割のないツイーターを隠したまま^^;
音質のチェックをしてみました

NILSのアコースティックライブ
Keith Don’t Goを鳴らすと

ぐおおーー!
いつものCM5の曇ったような音とは違い
晴れ渡るカリフォルニアサウンドのような
いや、
小型のフルレンジスピーカーがギャンギャン鳴るような
なんかいい感じで
アコースティックギターをピックでこする音が際立つ
ええ感じやな、、、
と思ったのもの束の間
2ウェイのウーファーだけ鳴らすと音はどうなる?
みなさんは
このように
2ウェイスピーカーのウーファー側だけ鳴らすと
その音はどんなふうに変わると思いますか?
「ツイータ切ってるんやから、当然高音弱って曇った音になるやろ」
ツイータ鳴ってないぶん、低音強めなサウンドになるんちゃうの?
みたいに思いませんか?
僕もそう思ってましたが。。。
実際はエグいくらい高音寄りな音になります。
なんやこれ??
高音キツすぎないか?
仕方なくサブウーファーを鳴らします。

低域20Hzから出るYAMAHAの300サブウーファーです
120Hzから40Hzまでハイパス・フィルターをかけれるのですが
一番上の120Hzにして
ボリューム半分以上あげても
高音キツすぎるのが治らない!
高音がシャリシャリするような
音のボディがなく輪郭だけがキツすぎるような
言葉で表すには辛いけど
オーディオ的にいうと
弱めなウーファー(30センチ程度)に
高能率なホーンスピーカーをツイーターとして割り当てたような。。
そんな音です
CM5のフルレンジ化は不可能
2ウェイスピーカーのウーファー側なので
イメージとしては低音が強いんだろうな。。
なんて思ってしまいがちですが
こういった2ウェイスピーカーの場合、
低音を担うユニットはフルレンジとして使うにはバランスの悪い周波数特性を持っているのかもしれません。
FOSTEXみたいに最初からフルレンジ一発で鳴らす前提の設計ではなく
高音をネットワークで調整して、
低音から中高音をフラットにすることでスピーカー全体のバランスをとっている。
しかも世界最高峰のスピーカーメーカーB&Wの完成スピーカーについてるユニットです。
完成状態を崩すことで
えげつないほど暴れるユニット
JBLのホーンより能率高いかもしれない
と思えるほど強烈な広域のハイあがりな音質。
そりゃこのユニットは
同メーカーのノーチラスとか
トールボーイとかで高音を担うユニットと同じケブラーコーンスピーカーです。
フェイズプラグで逆位相をバランスさせながら
強大な低音ユニットと組わせて広域を担うユニットです。
単体で鳴らしたらそりゃ高音きつくなるはずだ。。^^;
周波数は
200~500Hzは左下がりで音圧が弱く
2KHz~8KHzあたりが非常に音圧が高くなるような鳴り方でした。
803Dとか
このユニットが高域担当している高級スピーカーでは
超低能率なウーファーユニット×2とか3使って
この16センチユニットがツイーターみたいな
高域担当のスコーカー的役割で
上のちょんまげみたいなのは
超高域をサポートするツイーターという感じなんでしょうね。

ということで
まとめ
まともなネットワークが入った2ウェイスピーカーで
メインのユニットを単体で鳴らそうとすると
非常にバランスの悪い音質になる。
とてもじゃないけど
フルレンジスピーカーとしては使えない
ということがわかりました。
2ウェイで
低音がわのユニットを「ウーファー」と呼ぶのやめましょうね^^;
ぜんぜんウーファーじゃないわ(笑)
頑張って
もとに戻していきます^^;
あと、最近AmazonでFOSTEXのユニットもエンクロージャーも
1個ずつしか買えないので困ってます。。
コロナ収束するまでペアで買えないんでしょうね。。辛い
もっと元気な音のスピーカー買い替えたい
ドナドナしたけど
これ買い戻したいな。。


